花粉症・アレルギー性鼻炎は、花粉やダニなどの抗原(アレルゲン)に対して起こるⅠ型アレルギー反応です。
くしゃみ・鼻汁・鼻閉・眼のかゆみなどの症状を呈します。
適切なタイミングで治療を行うことで、症状はコントロール可能です。
当院で可能な治療
① 薬物療法
抗ヒスタミン薬
くしゃみ・鼻汁・かゆみを抑制。第二世代は眠気が少ないです。
抗ロイコトリエン薬
鼻づまりの強いときに有効。
漢方薬
上記の薬で症状が抑えきれないときに併用。
小青竜湯など。
鼻噴霧用ステロイド
鼻粘膜局所だけに作用するため、全身副作用は少ないです。
点眼薬
点眼用抗ヒスタミン薬、点眼用ステロイド薬など。
② 予防的内服
花粉飛散前、または軽症時から開始することで、発症時期を遅らせ、症状ピークを軽減する効果があります。
内服効果発現には1〜2週間要するため、スギ花粉症では1月末頃からの開始が推奨されます。
病態(なぜ症状が起こるのか)
抗原が鼻粘膜に接触すると、体内で特異的IgE抗体が産生されます。
このIgE抗体が肥満細胞に結合し、再度抗原と反応すると、ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどの化学伝達物質が放出されます。
ヒスタミン
- 知覚神経刺激 → くしゃみ
- 分泌腺刺激 → 鼻水
- 眼のかゆみ、涙
ロイコトリエン
- 血管透過性亢進
- 粘膜浮腫
- 鼻閉の主因
したがって、くしゃみ・鼻水優位か、鼻づまり優位かで治療選択が異なります。
原因抗原と季節性
日本ではスギ(2〜4月)、ヒノキ(3〜5月)、イネ科(初夏)、ブタクサ・ヨモギ(秋)、ダニ(通年性)などがアレルゲンとして飛散します。
問診では、いつ症状が出るか、どの環境で悪化するかを確認し、必要に応じて血液検査(特異的IgE)を行います。
症状の強さは個人差による
花粉に何度も触れていると、体の中ではその花粉に対する「IgE抗体」という抗体が少しずつ作られていきます。
IgE抗体がある程度まで増えると、体はその花粉に対して反応しやすい状態になります。
これを「感作(かんさ)」といいます。
その状態で再び花粉が体内に入ると、抗原抗体反応が起こり、くしゃみや目のかゆみといった症状が現れます。
ただし、IgE抗体の量と症状の強さは必ずしも一致しません。
血液検査でIgEが高くても症状が軽い人もいれば、数値がそれほど高くなくても強い症状が出る人もいます。
アレルギーの程度は「抗体の量」だけで決まるものではなく、体質や反応のしやすさによって個人差が生じるのです。
日常生活管理
抗原曝露を減らすことも重要です。
- 帰宅時、衣服や髪をよく払ってから入室する。
- 飛散の多い時は、窓、戸を閉め、布団や洗濯物の外干しは避ける。
- 花粉情報に注意する→環境省の花粉情報サイトなど。
- 飛散の多い時は、外出時にマスク、メガネを使用する。
治療+環境管理でコントロールが安定します。
適切な介入により、日常生活の質(QOL)は大きく改善します。
お困りの方は、ご相談ください。